腸内フローラとは?

腸内の細菌を整えることで万病を治療


こんな最新医療が注目を集めている。「腸内フローラ」という医療法で、先月、NHKスペシャルが「腸内フローラ~解明!驚異の細菌パワー」と題してリポートして以来、あちこちで話題になっています。


人の腸内には約1000種類、合計で100兆匹以上の細菌が生息している。その中には人体に有害な悪玉菌もいれば、良い働きをする善玉菌もいる。悪玉を減らし、善玉を増やすなどの治療で病気を予防・治療する。これが腸内フローラのコンセプトだという。

医学博士の米山公啓氏は言う。

「たとえばバクテロイデス菌。これは腸内で短鎖脂肪酸という物質を増やします。短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を防ぐ上に脂肪を燃焼させる重要な物質。これを増やせば肥満の解消につながるのです。短鎖脂肪酸はインスリンの分泌も活発にするので糖尿病治療にも効果を発揮します。ある細菌は動脈硬化を誘発するTMAOという物質を抑制することが分かってきました。親が脳梗塞などで倒れ自分も遺伝の恐れがある人は、この細菌を増やすことで発病を防ぐことができることになります」


アレルギー性皮膚炎やスギ花粉症の患者はビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌によって症状を抑えることができる。


うつ病は脳の活発化につながる細菌を増やすことで症状を改善できることがマウスの実験で明らかになっている。

具体的にはどんな治療をするのか?

「健康な人の便を生成して患者さんの腸内に入れる『糞便移植法』です。米国ではすでに潰瘍性大腸炎の治療などで通常医療として実施されており、内視鏡を使って肛門から注入します。

現在の日本では口から悪玉菌を殺す抗生物質などを飲み、並行して糞便移植法を行う臨床研究を行っている段階です。数多くの患者さんに試し、内視鏡で腸内の細菌の状態を調べなければならないので、本格的な実用化まで時間がかかるでしょうが、多くの病気を予防・治療できる画期的な方法として期待できます」とのことです。